ヨーコとヒロシの日食観測

イースター島日食 (2010年7月11日/日本時間12日)


ここ2年続きの中国日食では不満な結果だったので、今回はイースターへの大遠征計画を立てた。しかしながら宿泊施設や交通手段の 関係から予約することも困難な状況。日食情報センターのS氏の引率するツアーの説明会に参加タヒチにするかイースターにするか迷ったが、2009年12月に同氏の事前情報にて阪急交通社が計画していることを知った。WEB予約にトライしてモーレア島コースに申し込んだが 実はまだ公開されておらず、次の日に阪急交通から電話が掛かってきた。申し訳ないがまだ受け付けていないので、12月10日の午前10時から全国一斉にWEB申し込みを受け付けるので、その時に申し込んで欲しいとのこと。逆にどのようにして申し込みを行ったのかと不正でもしたかのように、いぶかられた。ツアーを探していて偶然見つけたら、応募ページに行って、会員登録を要求され、会員登録に時間が掛かって大変だったが、何とかやっと予約申し込みができたと説明した。現に予約できたメールも確認したし、今更もう一度申し込めとはどう言うことかと逆に問い詰めた。テスト中のページが何かの弾みで、繋がってしまったらしい。

次の日に阪急交通社の株主向け開示情報で、イースター島ツアーを発表すると知った。12月5日になって、天文ガイドが発行され12月10日に一斉募集行うと書かれていた。 昨年の近畿ツーリストのように、大フィーバーとなり、先着でなく抽選になるかも知れなかった。当日その時刻は出勤日しかも会議中。 事前に2台のPCを阪急のページにつないでおいて、時間が来たらトイレに立つ振りをして、自席に戻りエンターキーを押すつもりだった。 既に必要な会員登録は済ませてあったから、取れる自信はあった。それでも数分遅れてしまって心配したが、会議も終わってじっくり トライ。高い方のツアーの方が取り易いと思ったが、安い方のツアーが苦労もなくすんなりと予約できた。
と言うことで、半年以上も前から予約が確定。後は当日の快晴を祈るのみだった。OB会のI氏も申し込みに成功。同じツアーの一行となった。

7月10日(土)
飛行機がエア タヒチ ヌイのタヒチ直行便だったので、成田出発しかない。今年から羽田空港も国際線が拡張され、ようやくインチョン空港に対抗できるハブ空港となるが、間に合わない。いつもは京成利用のところ、荷物も重いので東京経由で快速に乗る。それほど遅れたつもりはないのに、チェックインは長蛇の列。待っている間にI氏夫妻の顔。第二ターミナルもお店が充実していた。 12時間のフライトで同日の朝、タヒチ・パペーテのファアア空港に到着。ホテルにチェックインのあと、観測用機材をまとめて夕刻に再び空港へ。チャータ機で夜のうちにイースター島へ向う。約5時間の飛行時間の後、早朝4時、真っ暗の中目的地に到着した。気になる天候は、雨が降った後で、全天曇天。

7月11日(日)
こんなに朝早いのに空港の入管事務所は開いていて、一度に到着した我々一行の入国審査をしてくれた。ただし、飛行機内で配られた入国書類は様式が古いもので、入国直前で足止めされもう一度書き直しをさせられた。ここでトラブルが・・。配られた2枚綴りの書類が、どこかで順序が代わり、カーボンコピーが上になっていて複写がとれない。不運な人は、また書き直しをさせられる羽目になった。 まさか自分もそうだとは気付かずに並んでいたが、直前で気付き2枚目にもサインをしておいた。結局知らない間に一番最後のグループに入っていた。 小型のマイクロバスでピストン輸送し、機材と人間をハンガロア村の小学校に運ぶ。小学校では班編成(バス号車)毎に教室を一つ割り当てられて、そこが休憩・準備室となった。辺りが明るくなってくるとお腹が空いた。臨時の売店がオープンしたが、長い行列で進まない。出遅れた我々は待つしかなかった。1本3ドルの水を2本買った。 空は相変わらす曇り、時々雨も。ご一行全300名弱で3班に分けて、タハイ遺跡へモアイ像を見に行く。イースター島の滞在時間は日食以外にわずか2時間しか観光時間がなくそれを3つに分けて、1班40分のみ。遺跡に向う時には雨が激しくなったが、ラッキーにも着いた時には、止んで少しづつ晴れ間もみえ始めた。風が強くすごく寒い。

旅の疲れもそこそこに、いよいよ日食本番の準備に掛かる。教室に近い中庭に陣取って、三脚と椅子を2台分セットした。こうして場所取りをしている訳だが、このときにも雨が降り出した。 去年の失敗を教訓として、今回は一眼デジカメを2台に増やし、事前操作を練習しておいた。レンズは300mmズームおよび135mmX2倍テレプラス(35mmフィルム換算で450mmおよび405mm)。1983年のインドネシア日食以来、毎回持参していた400mm望遠レンズは、簡易赤道義には重くて不安定なので、フィルム一眼のボディと合わせて取り止めに。また、操作するカメラは2台に減らした。日食経過の連続写真はやめて後で合成することとした。

12時40分いよいよ第一接触。何とか天候も持ち直し晴れる見込み。14時08分第二接触頃に薄雲が掛かったものの、目視では十分に素晴らしいダイヤモンドリングを見ることができ、歓声が上がった。コロナも素晴らしく、快晴の中で4分40秒間の皆既を楽しむことが出来た。 思いの外、時間に余裕があり、シリウス、金星、水星を認めた。ただ、いつもの皆既に比べて夜になったような暗さがなかった。カメラの液晶表示が懐中電灯なしで見れた。14時13分第3接触のダイヤモンドリングを見て、観望成功に至った。 その後は部分食を何枚か撮った程度で第4接触頃には1台目の片付けを終えた。 片付けもそこそこにすぐに空港へ、18時過ぎにはタヒチ行きの飛行機に乗る。6時間のフライトでパペーテの町に。ホテルに戻ったのは夜も10時を過ぎていた。何と、日本を出てから機中泊2泊の長い長い1日であった。費用が高かったので若い人が少なく、老人が多かったのでさぞ身体に応えたに違いない。

後で聞いた情報だが、S氏のハオ島は曇り、U氏のマンガイヤ島は雨だったそうで、一番降水確率が高かったイースター島が晴れた。何とラッキーだったのか。モアイも見れたし、日食もみれたし、イースター島にして良かった。 今回の日食では、ダイヤモンドリング、コロナともほぼ納得のいく写真が撮れた。

今回の機材:
@一眼レフ・デジカメ:ペンタックスistDS+300mmズームレンズ
A一眼レフ・デジカメ:ペンタックスkm+135mm望遠レンズ×2倍テレコンバーター
Bデジカメ:ソニーDSC T-5 ムービー114mm相当×1.5倍テレコンバーター


今回の失敗:
★ミス1:デジカメBのムービーは事前のテストをやらずぶっつけ本番。ズームを広角から望遠にするのは忘れなかったが、テレコンバーターとの組み合わせではオートフォーカスがうまく固定されず、ずっと動きっぱなし。ガイド撮影はうまく行ったので、ピントが合わないのが惜しい。結局録音の記録のみ有効。そう言えば去年は同じカメラだが望遠でなく広角のままだったのでピントがうまく合っていたのか。
★ミス2:皆既中はデジカメAの露出時間を変えて撮影する余裕がなく1/125秒の固定露出のみとなったので、大きさの異なるコロナ画像が撮れなかった。後で画像処理ができない。


第1接触後の部分食

第2接触のダイヤモンドリング

皆既中のコロナ

モアイ像と日食の合成イメージ

第3接触のダイヤモンドリング

第4接触前の部分食